クラウドバックアップとは? ~種類・メリット・注意点まで紹介~



Microsoft365やGoogle Workspaceなどのクラウドを検討や導入を進めている企業が増えDX化が進むなか、クラウドの課題にバックアップが浮上するようになりました。

クラウドバックアップは名称のとおり、クラウド上にファイルを保管するツールのことであり、メリットが多いものの種類も多く、担当者の頭痛のタネになっています。

今回はアイエスエフネットが、クラウドバックアップとは何か、必要性、メリット、注意点などを網羅的に解説いたします。


目次[非表示]

  1. 1.クラウドバックアップとは
    1. 1.1.Ⅰ. クラウドストレージは十分ではない
  2. 2.クラウドバックアップの種類
    1. 2.1.Ⅰ. イメージバックアップ
    2. 2.2.Ⅱ. ファイルバックアップ
    3. 2.3.Ⅲ. ファイルストレージの併用
  3. 3.クラウドバックアップのメリット
    1. 3.1.Ⅰ. 費用削減
    2. 3.2.Ⅱ. 災害対策の強化
    3. 3.3.Ⅲ. データ復旧の容易さ
    4. 3.4.Ⅳ. アクセス制限
    5. 3.5.Ⅴ. ログデータの管理
    6. 3.6.Ⅵ. 効率的なバックアップの実現
    7. 3.7.Ⅶ. バージョン管理
    8. 3.8.Ⅷ. ランサムウェア対策
  4. 4.クラウドバックアップ利用時の注意点
    1. 4.1.Ⅰ. 従量課金制
    2. 4.2.Ⅱ. 帯域の圧迫
    3. 4.3.Ⅲ. ハードウェアへの負荷
  5. 5.まとめ

クラウドバックアップとは

クラウドバックアップとはデータをクラウド上のサーバーに保管する方法のことです。企業の営業活動継続に利用する顧客データや売上データなどは必要不可欠であり、損失することで企業の継続性に重大な影響を及ぼします。そこで、万が一に備えてバックアップを取ることが求められています。

クラウドバックアップは手間も時間もかからない利便性が高い手法であり、外付けハードディスクやUSBフラッシュメモリのように物理的に保管する従来のバックアップと大きく異なります。


Ⅰ. クラウドストレージは十分ではない

クラウドストレージとしてはDropbox、Box、Googleドライブなどが有名です。これらはファイル共有を目的としたサービスですが、特性としてファイルを保存しておくこともできます。PCとの同期を可能にするサービスも存在するため、何かあった時のためのバックアップとして利用することも可能です。

ただし、クラウドストレージでできることはファイルのバックアップだけであり、システムのイメージバックアップまではできません。そのため、システム運用管理者がDropboxやGoogleドライブを利用する際にはクラウドストレージでは十分ではないことを認識したうえで利用すべきです。


クラウドバックアップの種類

クラウドバックアップには複数の種類が存在します。ここでは、それぞれの種類について詳細に説明していますので、自社に合ったサービスを選ぶようにしましょう。


Ⅰ. イメージバックアップ

イメージバックアップはシステム全体をそのままバックアップし、問題が起きてもすべてを復旧させることが可能です。

復元の際に1からアプリケーションをインストールしたり、データベースの構築・設定をしたりする手間を省くことができます。

WindowsではOSが破損した際に迅速にリストアできるようにイメージファイルを作成しておくことができます。イメージファイルがあることでパソコンに不具合が起きた際にはイメージファイルを保管した時点まですぐに復旧することが可能になります。


Ⅱ. ファイルバックアップ

ファイルバックアップはデータバックアップと同じく、特定のファイルやデータのみをバックアップします。ファイルバックアップではシステムの復元はできませんが、クラウドでは特定のファイルのみ効率的にバックアップしたいという場合にお勧めです。

ファイルバックとしては、前述したDropbox、Box、Googleドライブなどが有名です。いずれも簡単に利用でき、ファイルの復旧がすぐにできますのでBCP対策(Business Continuity Plan、事業継続計画のこと)にもなります。

BCP対策とは企業が緊急事態時であっても事業を継続する方法を決めておく計画のことです。現在では地震や水害のような天災にかぎらず、新型ウイルスの流行やデータ喪失など備えるべきリスクが増えています。


Ⅲ. ファイルストレージの併用

ファイルストレージとは、ファイル単位でデータを保存する記憶装置です。クラウドのファイルストレージにはパソコンと同期できるサービスもあるため、バックアップとしても利用できます。



クラウドバックアップのメリット

クラウドバックアップには以下のようなたくさんのメリットがあります。

  • 費用削減
  • 災害対策の強化
  • データ復旧の容易さ
  • アクセス制限
  • ログデータの管理
  • 効率的なバックアップの実現
  • バックアップ対象の拡大
  • ランサムウェア対策

ただし、クラウド提供事業者によってサービス内容が異なるため、ここで紹介するメリットがすべてのクラウドサービスに共通するものではありません。


Ⅰ. 費用削減

クラウドバックアップは基本的にイニシャルコストがかからず、利用した分だけを支払う従量課金制が多く、余計な費用が発生しません。必要なのはインターネット環境だけです。

サーバーはサービス提供元管轄のため、自社で設置や運用をする必要がありません。そのため、バックアップ専用サーバーやNAS(Network Attached Storage、ネットワーク対応HDDのこと)の設置や維持と比較するとクラウドバックアップのほうが費用削減ができます。

また、クラウドなので拡張性が高く、将来的に事業規模が大きくなったとしてもサービスの容量を追加するだけで済むというのも大きなポイントです。


Ⅱ. 災害対策の強化

クラウドバックアップでは西日本、東日本、海外など、バックアップ先を複数箇所設定することも可能です。自社が災害にあったとしても大切なデータが残されていますので、デバイスとインターネット環境さえ整えば、すぐにシステムが復旧でき、データを活用した事業復帰ができます。

災害復旧(Disaster Recovery、ディザスターリカバリ)に強いのも特徴です。


Ⅲ. データ復旧の容易さ

クラウドバックアップは、クラウド上で2次保管データを保存しています。そのため、誤ってバックアップデータを消してしまった場合でも復旧が可能です。

自社サーバーやハードディスクなどでバックアップしている場合は、消去したデータを復旧させられないケースもあり、クラウドとデバイスを同期させておけば、世代管理の必要もなく復旧できる点はクラウドバックの強みです。


Ⅳ. アクセス制限

ファイルやフォルダごとに権限を設定できますので、情報漏洩を防止しセキュリティを高められます。社内の機密事項に関係者のみがアクセスできるように設定しておけば、社内の情報統制の効率化が可能です。


Ⅴ. ログデータの管理

ファイルへのアクセスや編集ログを残すことができます。そのため、ファイルにアクセスした時間や人物を特定でき、情報流出やデータの不正書き換えなどに速やかな対処が可能です。

また、ログデータが残せることを従業員に周知すれば、不正の抑止効果も得られます。


Ⅵ. 効率的なバックアップの実現

大半のクラウドバックアップサービスは、時間や範囲などを指定するだけで、自動的にバックアップすることができます。作業は管理画面で確認でき、エラーがあればアラートで知らせてくれるので、作業中パソコンの画面を凝視して待機する必要はありません。


Ⅶ. バージョン管理

誤ってファイルを削除や上書きした場合でもバックアップから以前のファイルを速やかに復元できると便利です。復元する場合にはファイルを何世代前まで復元できるかが重要になってきます。

また、バージョン管理(世代管理)も可能ですので、いつの時点に戻せばよいのかの管理を楽にすることができます。


Ⅷ. ランサムウェア対策

ランサムウェアとは、サイバー犯罪者がコンピュータのロックやファイルの暗号化をすることで、解除のために身代金要求をおこなう悪質なソフトウェアです。料金を支払うことでファイルの利用は可能になりますが、非常にタチが悪く、解除が面倒です。

ランサムウェアは感染したデバイスと物理的に接続されたデバイスや同一ネットワーク上にあるデバイスに感染してしまうため、NASや外付けHDDなどの従来のバックアップ手法では対抗策にはなりえません。

しかし、共有機能のないクラウドバックアップであれば、ユーザーにクラウド上のファイルに書き込む権限がないため、ランサムウェアに感染したとしてもバックアップファイルを守ることができます。



クラウドバックアップ利用時の注意点

クラウドバックアップを利用する場合、メリットは多いもののデメリットはほとんどありません。しかし、利用するうえでの注意点はございます。

  • 従量課金制
  • 帯域の圧迫
  • ハードウェアへの負荷


Ⅰ. 従量課金制

リットでは費用削減を挙げましたが、従量課金制であるということは利用すればするほど費用が高くつくということです。同じファイルの保存に利用してもコストの無駄になりますので重複削除機能を用い、容量の増大を防がなければ思うような費用削減は見込めません。


Ⅱ. 帯域の圧迫

帯域とは一定の時間単位で送信できるデータの転送量のことです。大容量のファイルをクラウドに転送する場合には、帯域の圧迫が懸念されます。帯域が圧迫されると通信速度への影響がおこりますので帯域制限を設けたり、利用制限を設ける必要があるかもしれません。


Ⅲ. ハードウェアへの負荷

同期バックアップが自動的に起きる場合には、デバイスの動作が重くなり業務に支障をきたすケースが考えられます。そのため、ハードウェアに過度な負荷がかかるシステムはおすすめできません。導入前には事前にテストが必要です。



まとめ

クラウドバックアップとはクラウド上のサーバーにデータを保管することで、効率的にバックアップをおこなったり、迅速に復旧することが可能になる便利なツールです。

従来のNASや外付けHDDなどのバックアップと比べるとメリットも多く、注目が集まっていますが、費用面や帯域、デバイスへの負荷等の点で懸念点もあります。

アイエスエフネットではメールのバックアップとしてAIを導入したDropsuite(ドロップスイート)の活用を推進しております。


Dropsuiteの詳細についてはDropsuite特設サイトをご参照ください。

ただちゃん
ただちゃん
ISFNET, INC グローバル統括本部 グローバルビジネス部